【脇汗に悩んでいるあなたへ】塗り薬で効果がない時の次の一手は?ボトックスという選択肢

脇汗(多汗症)のボトックス治療を受ける女性

「仕事中に脇の汗が気になる、臭いが気になる」

「学校で制服の脇の部分が濡れて目立ってしまう」

「運動、部活中に汗のニオイが気になって集中できない」……。

そんな脇汗(多汗症)の悩みは、実はとても多くの方が抱えています。

最近では病院やクリニックで、保険を使って治療ができるようになりました。

でも、「お医者さんでもらった薬を使っているけれど、あまり効果を感じない」という声も耳にします。

実際に私の診察にも、そのような患者さんが来られます。

今回は、保険の薬でなかなか改善しない場合の「次の一手」として注目されているボトックスについて分かりやすく解説します。

病院でもらえる「脇汗の薬」について

最新の治療ガイドライン(2023年に改訂されたルールブックのようなもの)では、脇汗の治療としてまずは「塗り薬」が推奨されています。

現在、国内では主に以下のようなお薬が保険診療で処方されています。

エクロックゲル(ソフピロニウム臭化物)2020年発売

ラピフォートワイプ(グリコピロニウムトシル酸塩水和物)2022年発売

これらは、汗を出すサインをブロックするお薬です。

毎日塗り続けることで効果を発揮しますが、人によっては「あまり変わらないな」「塗るのが大変で続かない」という場合もあります。

保険の薬で効果がないときは「ボトックス」

「塗り薬を試したけれど、やっぱり脇汗が止まらない……」

そんな場合に、高い効果が期待できるのが「ボトックス(ボツリヌス療法)」です。

ガイドラインでも、塗り薬で十分な効果が出ない場合の選択肢として認められています。

一度の施術でピタッと汗が止まる実感が得られやすいため、今の治療に満足できていない方におすすめの方法です。

そもそも「ボトックス」って何?

ボトックスと聞くと、美容医療のシワ取りをイメージするかもしれませんが、もともとは筋肉のけいれんを抑えるなど、さまざまな治療に使われてきた歴史のあるお薬です。

「ボツリヌス菌」が作る天然のタンパク質を精製したもので、体に悪い影響を与えないよう厳重に作られています。

現在では世界中で、汗の治療や美容医療、リハビリテーションなど幅広い分野で使われています。

ボトックスが脇汗を止める仕組み

なぜ、注射をするだけで汗が止まるのか? 仕組みはとてもシンプルです。

・サインをブロック: 脳から「汗を出しなさい!」という命令が脇に届きます。

・スイッチをオフ: ボトックスには、その命令を汗腺(汗の出口)に伝える「アセチルコリン」という物質の働きを一時的にストップさせる力があります。

・汗が出なくなる: 命令が伝わらなくなるので、脇が「汗を出さなくていいんだ」と判断し、ピタッと止まります。

脇ボトックスの方法と施術時間

「注射って痛そうだし、時間がかかりそう……」と不安かもしれません。実際の流れはこのような形です。

・方法: 両脇の数十カ所に、かなり細い針を使ってお薬を注射していきます。

・時間: 注射自体は両方で10分〜15分程度で終わります。

・効果: 打ってから数日〜1週間ほどで効果が出てきて、個人差はありますが、半年前後くらい効果が持続します。

クリニックや医師によっては、注射部位を少なくするケースもあります。
私は、細かく汗腺を確実にブロックできるよう丁寧に行っています。

膨隆疹(ぼうりゅうしん:皮膚がぷくっと盛り上がった状態)を均一にたくさん作るように打つのが、効果を最大限に引き出すコツだと考えていて、丁寧な施術を心がけています。

学校生活の合間や、長期休みにサッと受けることができる手軽な治療です。

痛みは注射である以上、「まったく無い」とは言えませんが、激痛ではなく、高校生の方でもほとんど問題なく受けていただいています。

まとめ

脇汗は、性格の問題ではなく「体質」や「病気」のひとつです。

保険で処方された塗り薬で効果がなかったからといって、諦める必要はありません。

「制服の汗ジミを気にせず過ごしたい」「自分に自信を持ちたい」という方は、ぜひ一度ボトックスという選択肢も検討してみてください。

私の実感としても満足度が高い方が多く、非常におすすめの治療です。

お知らせ

私はクリニックを開業予定です。

その際にはボトックス治療を取り入れる予定ですので、ご縁がありましたらぜひご相談ください。

参考:原発性局所多汗症診療ガイドライン(2023年改訂版)

日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン(2023年改訂版)」より引用

※「BT-A局注」という項目が、ボトックスによる治療を指します。

※「推奨度 B」は、「(治療を)行うよう勧められる」という評価です。

※「抗コリン外用薬」は、エクロックゲル、ラピフォートワイプなどの保険診療で処方される薬剤です。

投稿者プロフィール

Dr-you
整形外科専門医(日本専門医機構認定)
日本抗加齢医学会専門医
アラガン・ジャパン 認定施注資格医(ボトックスビスタ®・ジュビダームビスタ®)
臨床経験約20年
YOU Medical Clinic(開業準備中)

特に以下の分野において、専門的な知見を活かした情報発信を行っています。
• 整形外科一般: 外傷(ケガ)、変形性関節症、骨粗鬆症の診断と治療
• 次世代医療: PRP(多血小板血漿)、幹細胞療法などの再生医療、ラジオ波治療など
• 美容医療: ボトックス、ヒアルロン酸、肌育注射などによるエイジングケア

「健やかな身体と、自分らしい美しさ」の両立をコンセプトに、専門医の視点から皆様のQOL(生活の質)向上に寄与する情報を随時更新してまいります。

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